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忍ぶれど・・・
色に出にけりわが恋は。サイト更新状況と日々のよしなしごとを。
哀しき雄ライオン
昨日のNHKスペシャル「哀しき雄ライオン」。
生まれ変わってもライオンのオスだけには生まれたくない。

百獣の王、ジャングルの帝王。
たてがみを振りかざすオスのあの風貌で誤解の多い動物です。
しかもこれほど落差の激しいものもないんじゃなかろうか。
オスは体が重くて狩りが下手。百獣には逃げられっぱなし。
だいたいジャングルにいないし(笑)。

タイトルのとおり、ライオンのオスの一生はかなり悲惨でした。
ライオンの群れはリーダーのオス(兄弟で2頭ほど)と、数頭のメス、その子から成っています。
メスは成長後も留まりますがオスはまず2歳ほどで、父親たちからライバルとされる前に群れを出されます。
その後は兄弟そろってよろよろ放浪オスとなり下がる。若いオスは不遇の極みです。
狩りが下手で常に餓えており、ハイエナすら残した骨を齧り飢えをしのぐ情けなさ。
まさに放浪オスの多くは、飢餓で死ぬという。
ここを乗り越える忍耐力、体力、あるいはこすっからさが、子を残すには必要なのですな。

今回の映像の肝は、「王」たるオスを失った群れが新たな王を迎える、その経緯。
何らかの理由で急に王を失くしたメスだけの群れに、若い放浪オスの兄弟が近づきます。
メスに受け入れられなければ王にはなれないので、彼らのおどおどと下手(したて)なことといったら卑屈なほど。いきなり猫パンチならぬライオンパンチを食らって傷まで受けても、呆然としているだけ。膂力は勝っても手出しはできない。彼女らのご機嫌を損ねたら終わりなのです。

経験不足もあるでしょう。オスの値踏みをするメスの策にまんまと乗せられて、他の群れのオスと戦わされたりもします。疲労困憊の長時間の戦いを乗り切る体力、原因を作った彼女を守るような戦い方を「評価」され、ようやく受け入れられる二頭。お試し期間は数カ月に及びます。
獲物を譲られ、交尾を許され、初めて王となるのです。

王でいる間は確かに風貌通りの横暴とさえ見える振る舞いも許されます。
日中狩りもせずのうのうと眠り、メスの獲物を横取りし、満腹になるまで食べる。
けれど年を取ったり病気や傷で体力をなくしたとき、すなわちメスから「強い王」としての価値を認められなくなったとき、簡単に政権交代は訪れます。
映像では兄弟のうち一頭が先に病気か何かで死んでしまい、オスが残り一頭になった群れには別のオスがいつの間にか入り込んでいました。一頭だけでは群れを維持できないというメスの非情かつ冷静な「見切り」が、そこにはあるのです。

メスはメスで必死です。せっかく産んだ子を、新しいオスは殺してしまうからです。
王による守りを失っただけでも、放浪オスに狙われる。子のいるメスは発情しないためです。

強い子を多く産み育てようとするメスの思惑が、すべてを決める。
たとえばサルなんかでもメスの支持がないと群れのボスにはなれないそうで、オスがメスのご機嫌をとったりするのだとか。ゴリラはメスが食事の間、ボスが子を見るなど子育てにも参加するようです。
つくづく、世界は女で回っていると思います。
女に生まれてよかった?(笑)


★拍手ありがとうございます。
兄弟ライオンで高橋兄弟、とか考えたら悲しくなりました・・・。何でもいいわけじゃないですね。
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牢屋壮一(評論家)。 | URL | 2009/03/07(土) 23:21 [EDIT]
 初めまして。私は『牢屋(ろうや)壮一』と言うハンドルネームを使用してインターネット上で表現(評論)活動を行っている者です。
 実は私もここで取り上げられている『ライオン』に興味を持っています。ライオンと言えば何と言っても『百獣の王』であり特に『オスライオン』の最大の特徴である『たてがみ』はライオンの象徴(シンボル)である事は言うまでもありません。オスライオンにとって『たてがみ』がどのような役に立っているのか、ですが、私は常日頃からこれは『実験』で確かめるべきだと思っています。実験の具体的な方法については別に改めて書きたいと思います。
● Re: タイトルなし
saeko | URL | 2009/03/08(日) 17:25 [EDIT]
大宅ならぬ牢屋さま、こちらこそ初めまして。コメントありがとうございます。
雄ライオンのたてがみは、クジャクの尾羽のごときもののようですね。
雌が重視するあまり、むしろ本人には邪魔なほどご立派になってしまったという。
それでも気候状態に大きく影響を受けるとか。同じライオンでも、暑さのより厳しい地域ではたてがみがほとんどない種類もいます。
牢屋さまおっしゃる実験とはどのようなものでしょうか。興味深いです。

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